症例紹介

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【症例報告】ウサギの腹腔内膿瘍摘出

2024/05/25/

個体情報

種別 ウサギ

性別 オス

年齢 約0歳7か月

元気 低下

食欲 なし

 

主訴

昨晩からの急な元気食欲低下及び、排尿もしっかりとは確認とれずとの主訴で他の病院にご受診され、尿路閉塞疑いからその病院では対応が難しく当院にご受診されました。

検査

身体検査

 病院内でも元気は低下しており、腹腔内に硬い大きなしこりが触知されました。

超音波検査

 腹腔内のしこりに血流が認められ、また、腎臓などは異常所見はありませんでした。

レントゲン検査

 腹腔内にしこり様なものと、それに伴い周囲の臓器が押されている所見が見受けられました。

治療

上記の検査結果は腫瘍や膿瘍などを疑う所見であり、試験的に抗生剤などを試してみることや針を刺して細胞を見る検査なども選択肢としてはありましたが、お腹の中で破裂してしまうリスクを伴うことから、麻酔のリスクはありますが手術にてしこりの摘出を行いました。

手術内容

膿瘍摘出&腸管吻合手術
手術にて腹腔内のしこりを直接診たところ、腸を巻き込んでいる膿瘍でした。
巻き込まれている腸は残しても機能しない可能性が高くや膿の再発が生じてしまうリスクもあることから、
周囲の血管処理を行いながら膿瘍と巻き込まれた腸を摘出しました。
その後、切った腸の断端同士を縫い整復処置を行いました。
最後にお腹の中を洗浄後、腹筋・皮下脂肪などを縫い、皮膚縫合を行い終了となりました。

<腹腔内膿瘍>

<摘出後の膿瘍(膿排出後)>

経過

手術後は点滴治療のため一泊入院してもらい、次の日に退院し抗生剤・止血剤・鎮痛剤を用いて飲み薬での治療を行いました。食事は手術にて腸を切っていることから少量の流動食からはじめてもらい、徐々に量を増やし固形物に戻していってもらいました。

術後の経過としてはかなり良好で二週間経っても再発はなく、飲み薬も終了となり、その後二週間経っても再発は確認されず元気に過ごしてくれております。

獣医師からのコメント

今回の膿瘍は明確な発生起源については定かではございませんが、可能性としては生まれつきの問題や成長に伴う問題、または食べ物などにより腸が傷ついてしまったことなどが考えられます。膿瘍の場合時間経過により破裂してしまうことなどもあるため、今回はすぐに手術にて対応できたことが経過良好につながったと考えられます。

うさぎさんはその子にもよりますがさっきまで元気でも急に症状が現れ、命に関わる異常が発生してしまっていることもございますため、少しでも変化があるようでしたらお早めに病院へご相談いただくことをお勧めいたします。

 

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