症例紹介

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【症例報告】猫の心膜横隔膜ヘルニア

2024/11/09/

個体情報

種別 猫(マンチカン)

性別 オス

年齢 10ヶ月

元気 あり

食欲 あり

その他 やや痩せ気味、同居猫と遊ぶと息があがりやすい

主訴

去勢手術で来院
術前検査の胸部レントゲンにて心臓陰影の拡大を確認

検査

血液検査:異常なし
レントゲン検査:

エコー検査:心機能に異常なし、心臓に隣接して肝臓を確認

各種検査にて心膜横隔膜ヘルニアと診断し手術(去勢手術と同時にヘルニア整復手術)をご提案しました

手術

腹部正中切開にて開腹し横隔膜にアプローチ、横隔膜にあいた穴を確認。そこから大網と脂肪、肝臓の大部分が心膜内に入り込んでおり、肝臓は心膜に癒着していました。綿棒等を使い慎重に癒着を剥がしすべての臓器を腹腔内に戻すことができ、横隔膜を縫合、閉鎖しました。
常法通り閉腹しました。
術後、血液循環や呼吸状態を確認しながらICUで管理しました。

<手術中_横隔膜の穴>

<手術中_横隔膜閉鎖後>

経過

術後安定していることを確認し3日目に退院しました。

術後2週間でのレントゲンで肺が十分拡張していることが確認でき、現時点で再発は認められていません。

<術後レントゲン>

 

コメント

心膜横隔膜ヘルニアは心臓や肺が腹腔内臓器により圧迫され循環障害や呼吸器症状が出たり胃や腸が入り込むと消化器症状が出ます。一方で無症状(もしくはごく軽度)のことも多く今回のように健康診断で見つかることも少なくありません。
そのため、すべての患者様において術前検査としてレントゲン検査を実施しています。

症状がない心膜横隔膜へルニアの整復手術実施については専門医の中でも賛否が分かれるため、慎重に患者様の状態把握を行い、また飼い主様とご相談の上、方針を決定しています。

 

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