犬・猫の病気「子宮蓄膿症」
2024/09/22/
こんにちは、有明動物病院です。
今回は犬・猫の「子宮蓄膿症」についてお話させていただきます。
避妊手術をしていない中年齢雌に、比較的よく遭遇する怖い病気です。放置すると命にかかわります。
特に発情期の後は注意です。
こんな症状に注意
・最近水をよく飲む時、おしっこが増えた
・元気がない
・食欲の低下・むらがある、好きなものしか食べなくなった
・嘔吐・下痢をする
・おしりの下が汚れている
・どろっとしたものがオシッコに混じる
未避妊雌にこの様な症状が見られたら、すぐに病院でお腹にエコーを当ててもらいましょう。子宮蓄膿症の有無は数分でわかります。子宮の拡張・腫大は異常です。
子宮蓄膿症が見つかってしまったら、、
子宮蓄膿症の治療
①外科療法 (手術が第一選択です)
軽症~中等症なら早急な子宮卵巣全摘出術で完治可能なケースが殆どです。
ただし中~重症の場合では必ずしも救命できるとは限りません。発見の遅れや衰弱してしまっている場合は、まずは点滴や輸血などをして状態の安定化をしてからの手術となります。手術が成功しても、数日間はあらゆる術後合併症に注意が必要です。
②内科療法
アリジン注射(国内未発売)を使用します。
※以下のケースにのみ、やむを得ず使用します
・全身状態が悪すぎて手術が実施できない程に危険な場合
・重度の心不全、腎不全などの持病のため、麻酔リスクが高すぎると判断された場合
・どうしても手術ができない状況にある
▶︎アリジン注射について◀︎
・治療方法:数日に分けて皮下注射します。(目安として1,2,7,14日)
・作用:膿の溜まった子宮出口を弛緩させて排膿を促します。
・副作用:比較的副作用が少なく、心疾患などでも使用可能。ただし、投与後は腹痛を伴うため、その間は元気食欲低下する。
・効果:もともと陰部から膿が出ていた開放性は効果が得られやすいが、閉塞性は効果が出にくい。排膿がない場合は中断。
・注意事項:子宮蓄膿症の再発リスク、他の子宮卵巣疾患(卵巣嚢腫、子宮内膜炎、子宮水症など)のリスクを残すことになる。当然ながら、高齢になる程、治療の身体的負担は大きくなります。
⚠︎アリジンは取寄せとなる場合もございます。予めご了承ください。
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