【症例報告】カメの陰茎脱
2024/08/04/
個体情報
種別 クサガメ
性別 オス
年齢 約4歳
主訴
来院前日から、お尻から白いものが出たままになっており、食欲も半分以下に落ちているとのことで来院されました。1週間ほど前にも、お尻から出ているものがあり、他院にて陰茎脱と診断され戻してもらったが、また出てきてしまったとのことでした。
検査
視診
目視にて、総排泄孔より白く細長いものが出ており、陰茎と判断しました。
レントゲン検査
陰茎周囲に明らかな異常は認められませんでした。
治療
綿棒にて容易に排泄腔内へ収容可能でしたが、数分で再脱出を繰り返してしまうこと、1週間前にも同じく陰茎脱を起こしており今回2回目であることから、総排泄孔の両端を1糸ずつ縫合し、内服薬として抗生剤、消炎鎮痛剤、胃腸運動促進剤を処方させていただきました。
<陰茎脱出時(縫合前)>
<縫合後>
経過
1週間後に抜糸を行いましたが、食欲も戻っており、その後の再脱出も認められませんでした。
<抜糸後>
獣医師からのコメント
カメの陰茎脱の原因としては膀胱結石や腸炎、低カルシウム、過発情などがあり、雌であれば抱卵によっても臓器脱を引き起こす可能性が考えられます。
陰茎脱以外にも膀胱や卵管が脱出する場合もあり、脱出した臓器は損傷しやすく、重度になると生命を脅かす可能性もあるため、臓器脱が疑われる際は早めに動物病院をご受診いただければ幸いです。
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