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犬にかかりやすい病気「副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)」

2024/02/23/

こんにちは、有明動物病院です。

今回は犬の副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)についてお話させていただきます。

犬の副腎皮質機能亢進症の病態

副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)とは、体内においてコルチゾールなどの糖質コルチコイド(ステロイドホルモン)が過剰になることによって引き起こされる内分泌疾患(ホルモン異常)です。人ではまれな疾患ですが、犬では比較的よく遭遇する疾患で、多くの場合は中齢以降(8歳齢程度以上)で診断されます。副腎皮質機能亢進症の発生には下垂体性と副腎腫瘍性の2つのタイプがあります。

 

犬の副腎皮質機能亢進症の症状

過剰なコルチゾールの作用によって、過度な食欲や元気を示すこともあり、多飲多尿、多食、皮膚症状を呈します。また、肝腫大や内臓脂肪の増加、筋肉萎縮が起こることにより、腹囲膨満や腹部下垂といった外貌を示します。その他、副腎皮質機能亢進症に合併する疾患として、糖尿病、ステロイド肝症、胆泥症、高脂血症、膵炎、高血圧、血栓症、感染症、慢性腎臓病、肺拡張障害などが挙げられ、状況によっては致死的になることもあります。

 

犬の副腎皮質機能亢進症の診断

身体検査、血液検査(生化学検査、ACTH刺激試験と言われる血中コルチゾール値を測定する検査)、超音波検査、必要に応じてMRI検査やCT検査を用いて総合的に診断します。

 

犬の副腎皮質機能亢進症の治療

下垂体性の場合は、内科では症状の抑制を目的に、コルチゾールの合成酵素を抑えるトリロスタンという内服薬を使用します。神経症状を呈する場合は、状況に応じて脳MRI・CTの撮影をした上で放射線治療・外科治療も適応になり、放射線治療や外科治療をご提案することがあります。副腎腫瘍性の場合は、第1選択は腫瘍化した副腎の外科的な摘出になります。しかし、腫瘍の転移や血管への浸潤・固着、動物の状態などの理由で手術が適応にならない場合は内科療法を行う場合もあります。

 

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