猫の病気「猫免疫不全ウイルス感染症」
2024/11/16/
こんにちは、有明動物病院です。
今回は猫免疫不全ウイルス感染症についてお話させていただきます。
猫免疫不全ウイルス感染症の病態・症状
猫免疫不全ウイルス感染症は、猫免疫不全ウイルス(FIV)に感染することで、免疫不全症などを引き起こす可能性がある病気です。猫エイズと呼ばれることもありますが、後天性免疫不全症(エイズ)の状態になる症例は多くはありません。
感染猫からの咬傷を受けることでの、唾液や血液を介して伝播することが多いです。
感染直後の数日間 (急性期) には発熱、食欲不振、リンパ節の腫れおよびリンパ球減少症を引き起こすことがあります。急性期が終わり1~3ヵ月を過ぎると、数年間は無症候で経過する無症候期となります。この無症候期の間に免疫システムに影響を及ぼすことで、繰り返す感染症や慢性炎症、免疫介在性疾患、造血異常、悪性腫瘍 (とくにリンパ腫)および後天性免疫不全症の発生につながることがあります。
その一方、ウイルスの複製が免疫によって持続的に抑制された場合には、特に体には影響は出ず無症候のまま寿命を全うすることもあります。
また、FIV感染猫では、歯肉炎や口内炎が重症化しやすいとされています。
猫免疫不全ウイルス感染症の診断
FIV 感染は血液検査で診断するのが一般的です。生後6ヵ月以内の子猫が陽性の場合は母猫からの移行抗体に反応していることもありため6カ月齢以降に再検を行う必要があります。
猫免疫不全ウイルス感染症の治療
FIVに感染している猫は室内で飼育することが推奨され、同居猫にも移さないようにすることが重要です。出来るだけストレスの少ない飼育環境を整えることによって、悪化の発現および進行を抑え、生存期間を延長させること可能性が考えられています。また、生じている症状に応じて、対症治療を行うことが一般的です。
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