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猫にかかりやすい病気「慢性腎臓病」

2024/06/22/

こんにちは、有明動物病院です。

今回は猫の慢性腎臓病についてお話させていただきます。

慢性腎臓病とは

腎臓がダメージを受けて十分に機能しなくなる状態を「腎不全」といい、これが数ヶ月続くと慢性腎臓病(慢性腎不全)と診断されます。

一般的な合併症として、脱水、高血圧・高リン血症、尿毒症、貧血があり、これらに伴い元気食欲の低下、体重減少や嘔吐などが見られます。

猫の慢性腎臓病の原因

はっきりした原因はわかっていません。
7歳以上のシニア猫の30~40%は腎臓病にかかると言われています。

猫の慢性腎臓病の診断

血液検査、尿検査、画像検査、血圧測定などを行い診断し、国際獣医腎臓病学会(IRIS)が定めるステージ1-4に分類します。

猫の慢性腎臓病の治療

食事がとれず脱水がひどい場合は点滴治療を行います。
高血圧や貧血に対しては、程度に応じて内服薬や注射を行います。

<おうちでのケア>
①飲水量の確保
腎機能低下による多尿により脱水が起こります。
新鮮な水を常に飲めるようにすることが重要です。
器や場所にこだわりを持つネコも多く、水飲み場を複数箇所につくる、蛇口から新鮮な水を出し定期的に飲水を促すなどの工夫がおすすめです。また水分摂取量を増やす目的でウェットフードの併用もおすすめです。

②食事管理
ステージⅡ以上では、腎臓病用の療法食を検討します。腎臓病療法食は蛋白とナトリウム及びリンの適度な制限がされており、余命への有効性が示されています。(通常食と比較し2倍以上の中央生存期間)
また慢性腎臓病における体重減少は余命の短縮につながることも報告されており、美味しく食べてくれるような工夫と栄養管理が非常に重要です。

<定期検診>
慢性腎臓病は、早期に発見し適切な治療を施すことで進行を遅らせ、残された腎臓の機能をなるべく長期間温存することができれば長期的な予後が期待できます。
そのために必要なのが飼い主様の病気のご理解とこまめな定期検診です。
また、安定した慢性腎臓病が急激に悪化すること(急性増悪)もよくあります。
ステージや合併症によって、1~3ヶ月に1回の血液検査や尿検査などをおすすめします。

些細な変化でも気軽にご来院いただければと思います。

 

江東区有明にある有明動物病院・有明エキゾチック動物病院。

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