犬にかかりやすい病気「膝蓋骨脱臼」
2024/01/15/
こんにちは、有明動物病院です。
今回は犬の膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)についてお話させていただきます。
犬の膝蓋骨脱臼の病態
膝蓋骨脱臼とは、大腿部前面にある大腿四頭筋(大腿直筋・内側外側広筋などから構成)と膝の靭帯(膝蓋靭帯)をつなぐ骨(膝蓋骨)が本来あるべき膝の溝(滑車溝)から脱臼を起こして痛みを伴う疾患です。内側に脱臼することを膝蓋骨内方脱臼、外側に脱臼することを膝蓋骨外方脱臼と言い、脱臼症例の約90%が内方に脱臼します。膝蓋骨脱臼の原因は先天性(遺伝が疑われている)と外傷性が主であり、脱臼の重症度に応じてgrade分類されています。
犬の膝蓋骨脱臼の症状
症状は膝の痛みや違和感による歩行異常が認められ、脱臼が習慣化することにより関節炎や前十字靭帯の損傷を合併します。重症例では大腿骨及び脛骨の骨格変形を起こすことがあります。
犬の膝蓋骨脱臼の診断
徒手検査及びレントゲン検査にて診断を行います。
犬の膝蓋骨脱臼の治療
内科治療:安静、体重管理、消炎鎮痛剤の内服などにより症状の緩和を図ります。肥満傾向にある場合、体重の増加と共に膝関節にかかる負荷も大きくなるため、減量することにより、症状の改善に繋がります。また、抗炎症サプリメントなどにより関節炎進行を抑制します。
外科治療:痛みや歩行異常が持続する場合は、外科手術を必要とします。
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