犬のかかりやすい病気「僧帽弁閉鎖不全症」
2023/10/09/
僧帽弁閉鎖不全症とは?
心臓は血液を送るポンプの機能があり、正しく全身へ血液を届けるために逆流を防ぐためにいくつかの弁(ベン)が存在しています。
その弁に異常が起きることを弁膜症と総称します。
その弁膜症の中で、僧帽弁(ソウボウベン)に異常が起こる病気を「僧帽弁閉鎖不全症」と呼びます。
僧帽弁閉鎖不全症は、高齢の小型犬で発症することが多い心臓疾患で、犬種としては、ヨーキー、シーズー、マルチーズ、キャバリアなどに発症が特に多いといわれています。
犬の僧帽弁閉鎖不全症の原因
心臓の左心房と左心室の間に位置する僧帽弁(逆流を防ぐための弁)が、なにかしらの要因で変性がおこり、正しく閉鎖ができない閉鎖不全の状態が発生するために起こります。
閉鎖不全が起こると、左心室から左心房へ流れるべき血液が逆流してしまい、血液の循環不全がおこりさまざまな症状が現れます。
犬の僧帽弁閉鎖不全症の症状
発症初期段階では明らかな症状が稀で、診察時に心雑音が見つかるケースが多いです。
病気が進行していくと、
・ゼーゼーといった喉につかえるような咳をする。
・運動・散歩をする事を嫌がる。
・興奮時・激しい運動後にパタっと倒れたりする。
こういった症状がみられることがあります。
さらに病態が進むと、肺に液体が溜まってしまう肺水腫や呼吸困難、ベロの色が紫・青色に見えるチアノーゼなどの症状がみられ、放置すると死に至ることもあります。
犬の僧帽弁閉鎖不全症の治療
現在の症状や重症の程度によって治療法は異なります。
弁膜症になると心臓に負担が大きくなるのでその負担を減らすため、血管拡張剤や利尿剤などを投薬することが主な治療方法です。
また、心臓の収縮力をより高めるための強心剤や、咳の症状がある場合には気管支拡張剤の投薬による治療を行うケースもあります。その他、症状に応じて上記以外の薬剤の投薬や酸素吸入なども合わせて実施します。
犬の僧帽弁閉鎖不全症の予防
やはり病気はかかってからではなく、予防してそもそもかからないように心がけたいですよね。しかし、この僧帽弁閉鎖不全症は事前の予防や罹患してからの完治・根治が非常に難しい病気です。
予防的に日々の生活においては、太りすぎや高塩分の食事を与えることは心臓に負担をかけてしまうため避ける必要があります。ただそれ以上に、早期発見し、適切な投薬を行い病気の進行や症状の発現を遅らせることが非常に重要となります。
つまり、定期的に聴診を含めた健康診断で小さな変化に気づく機会を作ることが肝心です。普段の運動時の様子やベロの色などのチェックをすることも早期発見につながります。そういったチェックをしていく中で、
・最近よく咳をするようになった
・前と比べてあまり運動をしなくなった
・すぐに息が上がるようになった
などの症状に気づいた場合は、早めにご相談ください。
有明動物病院では「循環器専門診療」を行なっております。
外部より専門診療の獣医師に来ていただき、より詳しく検査・治療をすることが可能です。
ホームドクターとしても、これまで他院にて心臓が悪いと言われ薬を飲み続けているがしばらく検査をしていないなど、セカンドオピニオン先としてもご来院可能です。
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江東区有明にある有明動物病院・有明エキゾチック動物病院。
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