症例紹介

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【症例報告】犬の膀胱結石摘出術(慢性膀胱炎)

2024/07/29/

個体情報

種別 犬(雑種)

性別 メス(避妊済み)

年齢 5歳

元気 あり

食欲 あり

体重 7kg

 

主訴

飼育困難になった飼い主より譲り受けたが、頻尿症状と尿漏れがあり、常におむつをしている。時々血尿が出る。元の飼い主様からは頻尿症状のことは聞いておらず、いつからかは不明。

検査

身体検査

異常なし

血液検査

異常なし

尿検査

鮮血反応あり、顕微鏡にて赤血球多数・白血球あり・結晶成分は検出せず

レントゲン検査

膀胱結石3個あり。尿管・腎臓には結石認めず

超音波検査

膀胱結石あり。尿貯留量は少量、膀胱粘膜の肥厚あり。左右腎臓は異常なし

治療

大きな結石が膀胱内に3個確認されました。

犬に多い結石の1つであるストルバイト結石の場合は、食事療法で結石を溶解させる内科療法を選択する場合もあります。しかし、この子の場合は結石が大きいこと、おそらく経過が長くすでに膀胱の粘膜の状態が悪くなっていることが予想されました。そのため、内科療法でこれ以上慢性膀胱炎を長引かせるデメリットとその際のリスクをご説明し、まず手術で結石を摘出し、その後食事療法を続けることをご提案しました。

手術:膀胱切開による膀胱結石摘出術

予想された通り、膀胱壁は分厚く慢性肥厚しており、本来の膀胱の弾力性や伸縮性はかなり失われている状態でした。
膀胱を切開し黄色の結石を3つ摘出し、切開創を閉鎖。腹腔内を洗浄し常法通り閉腹しました。

 

<手術前のレントゲン>膀胱結石3個あり

<手術後のレントゲン>

経過

手術後は排尿の管理や点滴治療のため3泊入院してもらいました。

経過は順調で適切な鎮痛剤の使用と、もともとの明るい性格もあり、翌日から元気いっぱいでした。

3日目の術後血液検査の結果は安定、尿の色もほぼきれいな黄色になり食欲もあったため退院しました。1回の排尿量は以前よりも増え排尿回数も減っていました。

抜糸と経過観察のため来院した際は、頻尿症状、尿漏れもなく調子良いとのことでした。

結石分析

<摘出した膀胱結石>

リン酸アンモニウムマグネシウム(ストルバイト)87%

リン酸カルシウム13%

尿路結石症のための療法食を継続し、3ヶ月〜6ヶ月おき検診をしていく予定です。

 

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