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犬・猫にかかりやすい病気「皮膚糸状菌症」

2024/05/05/

こんにちは、有明動物病院です。

今回は犬・猫の皮膚糸状菌症についてお話させていただきます。

皮膚糸状菌症の病態

皮膚糸状菌症は、真菌(カビ)の種類である皮膚糸状菌による感染症です。人にも犬猫にも感染する可能性がある人獣共通感染症として衛生学的に重要な疾患です。 犬猫の皮膚糸状菌症の原因菌としてもっとも多いのは Microsporum canisという菌です。感染経路として多いのは皮膚糸状菌を持っている動物や感染している毛との接触です。皮膚糸状菌症は、犬よりも猫で多い皮膚の感染症ですが、犬の中ではヨークシャーテリアの皮膚糸状菌症の感染が多く確認されます。

皮膚糸状菌症の症状

皮膚糸状菌症を疑う皮ふの様子は頭部や肢端に好発する鱗屑(皮膚の角質層が、目に見えるように剥がれ落ちている状態。皮が剥けてカサカサした状態)と赤みを伴う脱毛、痒みは軽度であることが多いですが、時に強い痒みを伴うこともあります。

皮膚糸状菌症の診断

病変部からの皮膚糸状菌の検出により診断します。抜毛検査や皮膚掻爬検査を行い感染毛を採取し、 顕微鏡で糸状菌を観察します。ウッド灯と呼ばれる特殊な光を当てる検査方法で感染を確認する方法もあります。一般的には、皮膚糸状菌を皮膚糸状菌診断培地 (DTM 培地)を用いた真菌培養検査を行うことが多いです。院内で行う真菌培養検査は約2週間程度、期間がかかります。

皮膚糸状菌症の治療

皮膚糸状菌は、人間にも写る可能性がある感染症のため動物の治療だけでなく生活環境中の皮膚糸状菌を取り除くことも必要です。

動物に対する治療では、抗真菌薬の経口投与を行います。状況に応じて感染している毛の毛刈りやシャンプーを行う必要があるときがあります。

生活環境の改善には、感染している動物の隔離と生活環境の清浄化することが必要です。生活環境中のカーペットや畳、クッションなどに付着した感染毛を取り除きましょう。 拭き掃除の際には0.5%次亜塩素酸ナトリウムを複数回行うことが有用です。その他不活化には 43.3℃以上の加熱も有効です。

 

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