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犬にかかりやすい病気「副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)」

2024/04/06/

こんにちは、有明動物病院です。

今回は犬の副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)についてお話させていただきます。

犬の副腎皮質機能亢進症の病態

副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)とは、体内にてコルチゾールなどの糖質コルチコイド(主にステロイドホルモン)が過剰に分泌されことによって引き起こされる内分泌疾患(ホルモン異常)です。人間では珍しい病気ですが、犬では比較的よく見られる病気です。中年齢以降(8歳齢程度以上)くらいで多く診断されます。副腎皮質機能亢進症の原因には、下垂体由来と副腎腫瘍由来の2つの種類があります。

犬の副腎皮質機能亢進症の症状

過剰にステロイドホルモンが分泌されることにより、過度な食欲や元気を示すことがあります。また多飲多尿、皮膚症状、呼吸器症状を呈します。その他には、肝腫大や内臓脂肪の増加、筋肉萎縮が起こり、腹囲の膨満や腹部下垂といった外貌の変化を呈します。

副腎皮質機能亢進症に合併する疾患として、糖尿病、ステロイド肝症、胆泥症、高脂血症、膵炎、高血圧、血栓症、感染症、慢性腎臓病、肺拡張障害など様々な疾患が挙げられます。状況によっては致死的になることもありうる疾患です。

犬の副腎皮質機能亢進症の診断

身体検査、血液検査(生化学検査、ACTH刺激試験と言われる血中コルチゾール値を測定する検査)、超音波検査(エコー検査)を行います。

状況に応じては全身麻酔をかけてのMRI検査やCT検査を用いて総合的に診断します。

犬の副腎皮質機能亢進症の治療

下垂体由来の場合、内科では症状のコントロールを目的に、コルチゾールの合成酵素を抑えるトリロスタンという内服薬を使います。神経症状を呈する場合は、状況に応じMRIやCT検査をした上で放射線治療・外科治療も適応になることがあります。副腎腫瘍由来の場合は、第1選択は副腎の外科的な摘出です。しかし、腫瘍の転移や血管への浸潤・固着、動物の状態などの理由で手術が選択できない場合には内科療法を実施します。

 

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