症例紹介

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【症例報告】犬の動脈管開存症(PDA)の手術

2024/08/25/

個体情報

種別 犬(ポメラニアン)

性別 オス

年齢 7か月

元気 あり

食欲 あり

主訴

他院にて動脈管開存症(PDA)と診断され、当院へ手術のため来院

検査

身体検査

元気食欲あり、体重2㎏、小柄でやや痩せ気味

聴診にて連続性の心雑音Levine3/6を確認

レントゲン検査・超音波検査

VHS11・肺動脈領域で短絡血流確認

治療:外科手術

左側の胸部を広範囲に剃毛・消毒し第4肋間を開胸。

広背筋や胸腹鋸筋、斜角筋などの筋肉の処理をすすめ肋間筋を切開し開胸しました。

迷走神経を目印に動脈管を確認し、慎重に剥離し絹糸を2本通します。

心拍数、血圧やsPO2の変化をモニターしながら、通した絹糸で、動脈管の上側(動脈側)を少しずつ締め血流を遮断します。次いで下側(肺動脈側)も結紮しました。

肺動脈上のスリル(雑音振動)が消失したことを確認し、常法通り閉胸しました。

<開胸中>

<術直後>

経過

術後ICU(酸素室)にて管理しましたが、その日の夜から食事と大好きなおやつを食べることができました。

翌日には動き回る元気あり。翌々日に元気に退院しました。

心拡大が進んでいた為、ピモベンダンの内服を継続し1か月後の検査としました。

 

1か月後 

レントゲン検査 VHS10.8

エコー検査 心拡大所見軽減、短絡血流は確認できず良好

内服薬はすべて終了し経過観察としました。

心拡大については、今後徐々に改善が見込まれます。

獣医師からのコメント

動脈管開存症は犬の先天性心血管奇形で最も多くみられる病気で、生後数か月以内の出来るだけ早い時期に外科手術をすることで完治を見込める疾患です。

最初は無症状であることも多く、聴診を含む一般的な健康診断で偶然発見されることもありますが、進行すると発育不良や咳などの症状が認められます。

進行すると手術時期を逃してしまう場合がありますので、定期検診と、診断がついた時点で外科手術を考慮する必要があります。

 

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