犬・猫の病気「変性性腰仙部狭窄症(馬尾症候群)」
2024/08/24/
こんにちは、有明動物病院です。
今回は犬・猫の「変性性腰仙部狭窄症(馬尾症候群)」についてお話させていただきます。
犬・猫の変性性腰仙部狭窄症(馬尾症候群)の病態
腰仙部とは椎体(背骨)と骨盤がつながる部位で、椎体に囲まれた管である脊柱管内を走行する脊髄神経はこの部位では馬の尻尾のように細く分かれて馬尾神経と呼ばれます。中齢から高齢の中~大型犬で多く認められますが、小型犬や猫にも散発される慢性疾患です。
変性性腰仙部狭窄症(馬尾症候群)は、椎間板ヘルニア、靭帯の肥厚、腰仙椎の形成異常、先天性狭窄症、移行脊椎、病的な腰仙椎間の動揺(脊椎すべり症)、滑膜嚢胞など様々な病態により腰仙椎の狭窄または椎体の不安定性によりの馬尾神経・神経根(神経の枝)の圧迫が起こり症状を起こします。
犬・猫の変性性腰仙部狭窄症(馬尾症候群)の症状
症状として多いのは腰の痛みでありその他、後肢のふらつきや引きずり、神経機能障害(尾の運動性の低下、失禁)なども認めます。多くの症例において、慢性椎間板ヘルニアが大きく関与していると考えられています。
犬・猫の変性性腰仙部狭窄症(馬尾症候群)の診断
身体検査、神経学的検査、レントゲン検査、CT 検査、MRI 検査により椎体、椎間板、脊髄神経などの評価を行います。
犬・猫の変性性腰仙部狭窄症(馬尾症候群)の治療
運動・神経機能障害がないもしくは軽度で、疼痛のみを示す症例に対しては、内科療法が選択されます。内科療法で症状が改善しない症例や、中程度から重度の背部痛や歩様異常のある症例、悪化傾向を示す症例に対しては、CT や MRI 検査で確定診断をした後に外科療法を検討します。
*内科療法*
抗炎症薬(NSAIDs、ステロイド)や神経障害性疼痛緩和薬(ガバペンチン、プレガバリン)、
抗炎症サプリメント(アンチノール)などによる疼痛管理や運動制限を行います。
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