【症例報告】ハリネズミの血尿(子宮疾患疑い)
2024/06/02/
個体情報
種別 ヨツユビハリネズミ
性別 メス
年齢 1歳6か月
元気 あり
食欲 普段の5割
主訴
三日前から血尿がみられ、他院から処方された内服薬を飲ませましたが出血量がだんだん増えて、食欲も減ってきましたのでセカンドオピニオンとして当院に来院されました。
検査
身体検査
下腹部に腫大した子宮を触知されました。
超音波検査(麻酔下)
膀胱の付近で腫大した構造(子宮疑い)が認められました。
レントゲン検査
明らかな異常所見はありませんでした。
治療:外科手術
内科治療に反応せず、子宮疾患由来の血尿の可能性が高いため、子宮と卵巣を摘出するための試験開腹を実施しました。
<術中の様子:子宮>
<摘出後の子宮卵巣>
摘出した子宮の右子宮角の一部に腫大と充血が認められました。
入院に対するストレスを考慮し、手術は日帰りでした。
経過
手術の翌日からの活動性は特に問題なく、食欲も徐々に回復してきました。排泄は平常に戻り、血尿がみられなくなりました。術後の再診では傷が順調に癒合してきた様子が認められました。
獣医師からのコメント
当症例では病理組織検査を行いませんでしたが、肉眼的に子宮病変が認められ、術後経過も良好のため子宮疾患による血尿が考えられます。
未避妊雌のハリネズミの生殖器疾患は皮膚疾患に次いで二番目に多い病気です。典型的な症状は血尿または陰部からの出血であり、元気と食欲の低下も時折みられます。全身状態が急に悪化する可能性もありますので、赤色尿や陰部から異常な分泌物が確認された場合早めに動物病院へのご受診をお勧めいたします。
江東区有明にある有明動物病院・有明エキゾチック動物病院。
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